2020年03月16日
親子で考えよう! ネットとのかかわり方 (2)被害と、危険から守る方法
(初掲載「機関誌いずみ」2017年8月号より)
前回は、子どもたちのネットの接触状況をおとどけしました。
今回は被害の一例と、危険から守る方法です。お話は引き続き、大阪府 青少年・地域安全室 青少年課 健全育成グループにうかがっています。
● 目次
● 子どもの自画撮り被害が急増
現在、特に増えているトラブルが、言葉巧みに子どもたちに裸の写真を撮って送らせる「自画撮り被害」です。警察庁の発表によると、平成28年は全国で480人が被害に遭い、うち半数以上は中学生でした(図1)。加害者とは、コミュニティサイトを通じて知り合ったケースが約8割となっています。
自画撮り被害に遭った児童数の推移(図1)

出典:警察庁生活安全局少年課
「手口は巧妙で、SNS上で同世代の女の子に見せかけ、仲良くなってから『胸が小さくて悩んでいて...。あなたはどんな感じか見せてくれない?』などと言ってだますようです」。小学生には「裸の写真を送ってくれたら、LINEのスタンプをプレゼントするよ」と言って誘惑するケースも。
「自画撮り被害に遭った子どもたちは誰にも言えないことが多く、親も気づかないケースが多いです。被害者の数は、警察に届出があったものなので、実際にはもっと多いと考えられます」と指摘します。
● ネットの危険から子どもを守るには?
正しく使えば、安全で便利なインターネット。
セキュリティ対策や、親のサポート方法をご紹介します。
フィルタリングを利用しよう!
「フィルタリング」とは、子どもにとって有害な情報へのアクセスや、有害なアプリの起動を制限するサービスです。18歳未満の子どもが携帯電話を使用する場合、携帯電話会社が保護者にフィルタリングの意義や内容などについて説明を行います。
大阪府青少年健全育成条例では、フィルタリングを利用しない場合、保護者はその理由を申出書に記載し、携帯電話会社に提出することが義務付けられています。
小・中学生の「フィルタリング」利用は高いものの、高校生はTwitterが利用できないなどの理由から低くなっています。全体の利用は5割を下回っています。
でも、フィルタリングのいいところは、機種によって異なりますが、使いたいアプリだけダウンロードできたり、年齢に応じてセキュリティレベルを調整できたりするところ。フィルタリングを利用しながら、制限するサイトやアプリを親子で話し合うのがいいでしょう。家のタブレットにも忘れずに利用してください。

子どもがルールを作り、親が見守る
子ども自身がスマホ利用のルールを作ることが大切です。2015年に開催された『OSAKAスマホサミット』(大阪府の小中高生が集まってスマホの正しい利用を考えるとりくみ)では、できるだけ23時までにスマホの利用を終わらせるルールが掲げられました。小学生なら21時、中高生なら22時が目安とされています。
まずは子どもがルールを考える機会を設けてください。そして、作ったルールを守るために、友だちとルールを共有させるようにしましょう。
では、親は子どもたちをどのようにサポートすればいいのでしょうか。
子どものほうがネットに詳しいケースが多く、管理しようにもできない傾向がありますが、実は、子どもたちはネットの危険性を感じ取っています。子どもがスマホやネットを使って何をしているのか把握するようにしてください。例えば、「自画撮り被害が増えているけど、どんな使い方してる?」などと聞いてみましょう。何かトラブルがあったらすぐに相談できる関係をつくってください。

18歳未満の子どもの携帯電話のフィルタリング、実施されていますか。
また、自画撮り被害は深く長く子どもを傷つけてしまいますから、本当に気をつけたいものです。
家族が実態を知ったり、子どもたちと話し合うことがとても大事ですよね。
次回は、クイズ形式でお届けします。
【参考サイト】
大阪府が2019年12月「おおさかSNS子ども安心サイト」を立ち上げました。こちらもご覧ください。
2019年やそれまでの「OSAKAスマホサミット」の情報は、大阪府のWebサイトからご覧いただけます。(「大阪の子どもを守るネット対策事業」のページにリンクしています)
大阪府のWebサイト- (0)
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コンテンツへのコメント
- 2020年5月23日 09:17
- でち子
自撮で相手に裸を送る…というのはよく聞きますが、送ったあとにどのような被害があるのか具体的に知りたいです。想像力のない子供は、送ったら相手に分かるだけでしょ?顔を写さなければ誰か分からないし…と軽く考えていると思うんです。
- (0)
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- 返信
- 2020年3月16日 15:39
- ももぷー。
スマホのカメラ性能が格段にUPしたので、瞳に映った風景から自宅を特定してストーカーされるとか、ピースサインから指紋認証を解除するとか怖い話はたくさん聞きますが、みんな「自分はそんな被害には遭わない」と思っているところが1番怖いのかもしれないですね。
フィルタリングを外すようになる高校生ぐらいからは、きちんと自撮り被害のことも話し合った方が良いですね。
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今は、ゲームもネットに繋がってますよね。
課金アイテムをプレゼントされ、その見返りに色々求めらて…なんて話も聞きました。
子供だけでなく、親もどんな被害が待ち受けているのか、勉強が必要だと思います。