2020年09月30日
特集/Nattsコラボ「ハートコープいずみ編」




いずみ市民生協では、食品から牛乳パック、食品トレー、たまごパックまで、
さまざまなものをリサイクルし、活用しています。
いったい、どんな風に、リサイクルしているのでしょう?
大阪府南部にお住まいの組合員、冨尾さん一家(お父さん・お母さん・はるくん)が
リサイクルの様子をのぞいてきました。

いずみ市民生協物流センター内にある(株)ハートコープいずみで、リサイクル事業を行っています。
まずは、廃棄される食品=食品残さのリサイクルについて教えてもらいました。

「キャベツやレタスの外側の葉っぱやお店に並ぶお惣菜をつくる時に出た野菜の切れはし、売れ残りのお惣菜などが毎日お店や物流センターから届きます。それらを裁断機で細かく砕いてからペースト状にしています」と案内してくれるのはスタッフの池端さん。ペースト状になった生ゴミは大きなたい肥化装置に投入され、3日間程度発酵後、たい肥になるそうです。
冨尾さん一家の元気な男の子はるくんは、工場内の様子に興味津々。どろどろしたペースト状の生ゴミ入りプラスチックケースがたい肥化装置に投入されるため、機械で高く持ち上げられていくと、じっと見つめていました。
池端さんが近くにあった扉を開くと、何やらさらさらで茶色の粉が出てきました。



「これが食品残さの生まれかわった姿」と池端さんが手にすくってみせると、「どろどろだったのに、こんなにさらさらになるんや〜」と家族全員でびっくり。ぐっとのぞき込むはるくんは、「臭くない。みかんみたいな匂い!」と不思議そう。「食品残さの中身によって、たい肥になった時の匂いも仕上がりも異なるよ」と池端さん。
冨尾さん一家のお母さんは「食べものを無駄にしておらず、素晴らしいですね。たい肥にならない食べものはあるのですか?」と質問。
「とうもろこしの皮やひげ、魚の骨や頭は発酵分解されにくいんです。たい肥の中に、魚の骨がそのまま残ることもあったので、今はこれらの分解されにくいものは取り除いてから発酵処理をするようにしています」。食品のすべてをリサイクルできるものでもないことを知りました。
たくさんのたい肥ができあがる様子を見て、「たい肥がいっぱいになったらどうするの?」とはるくんが池端さんに質問。「まずは袋に詰めて、倉庫で保管して、それから、(株)いずみエコロジ−ファームなどの農園にトラックで運ぶよ。そこで土に撒いて、栄養いっぱいの野菜が育つようにする。自然に還してるんやね」とたい肥の行く末を教えてくれました。土に戻ったたい肥の栄養を吸収した野菜はやがて収穫されて、お店や宅配で販売され、人々のもとへ。「私たちも食べている野菜が食品リサイクル・ループの一部なんですね」と冨尾さん一家。食品リサイクル・ループが、くらしに密着していることに感じ入っていました。

食品リサイクルの次に見せてもらったのが牛乳パックや食品トレー、ペットボトルのリサイクル。
お店や宅配で分別回収されたものが届くと、まずは、計量測定器が付いている床に置いて重さを測ります。「どこから、どれぐらいの量が届いたかわかるようにしているんです」と池端さん。さっそく、はるくんとお父さんも床の上に立って、自分たちの体重が計量されていることをチェックしていました。
プラスチックの食品トレーやペットボトルは、不要なラベルや汚れが付いていないか、チェック。手作業でベルトコンベアに載せたら、その後はギュッと圧縮されて塊になります。
「ほら、これが、ペットボトルの塊。はるくん、持ち上げられる?」と池端さんが促しますが、なかなか動きません。
「重い。何キロぐらい?」
「7.5 kg。こうやって塊にして、リサイクルの業者さんに引き取ってもらうんだよ」。
「プラスチックごみ問題は大きく取り上げられていますが、一人ひとりが自覚を持って取り組まないといけない話。これからリサイクル事業は、世の中にもっと必要とされるようになるはず。私たちは自然に還らないものをなくしていかないといけないと思います」と話す池端さんに、大きくうなずく冨尾さん一家。
「使い終わった食品トレーやペットボトルは、お店のリサイクル回収ボックスに入れていますが、その先でこんな作業があるんですね。きちんと分別しないといけないなと改めて思いました」とお母さん。「こんな素晴らしいとりくみ、もっとたくさんの人に知ってもらいたい」とも。



取材日/2020年7月5日(日)
大阪府南部在住 冨尾さんご家族
(お父さん・お母さん・はるくん)
南海沿線情報誌「Natts」× いずみ市民生協
Natts10~12月号に3回連続で「# おいしいくらし」を掲載 ! テーマは「食品リサイクル・ループ」。
いずみ市民生協の組合員さん一家にご協力いただき、
「食品リサイクル・ループ」にとりくむさまざまな拠点を見学しました。
Nattsに掲載しきれなかったエピソードを「みんなのわっか」でご紹介しています。
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見学行きたいです!