投稿ルームカテゴリー

記事カテゴリー

ホットワード

2020年02月10日

「栄養バランスと健康」のお話 (3)脂質と野菜

(初掲載「機関誌いずみ」2018年9月号より)

栄養バランスと健康をテーマに、第3話は、「脂質」のお話と、野菜を取るポイントです。レシピもいっしょにどうぞ。お話は引き続き管理栄養士の松岡幸代先生です。

(1)昨日、何を食べましたか?

(2)三色・三大栄養素

お話を聞いたのは...

松岡 幸代

オフィス Crecer(クレセール)代表 / 管理栄養士

松岡 幸代さん

栄養士として糖尿病患者など一人ひとりの症状や生活環境に合った栄養指導を行う。
また、長年臨床の現場でつちかった経験や知識をもとに、食や栄養の大切さをテーマに講演活動を行っている。

● 脂質は質の良いものを

敬遠されがちな脂質も、体に必要な栄養素です。
加熱や水洗いに強く、油と一緒に調理することで吸収率が高まるビタミンA、D、E、Kを含む野菜などと摂ると一石二鳥。ほうれん草をオリーブオイルやバターでソテーするなど、上手に摂りましょう。

気をつけたいのは、肉の脂身や洋菓子に含まれる飽和脂肪酸です。
洋菓子の場合、口当たりが良くなる働きのあるショートニングが悪玉コレステロールを増やすとされています。
また市販のドーナツやコロッケなどもラードで揚げているので、食べ過ぎに注意です。
オリーブオイルや亜麻仁油などは健康に良い油として注目されていますが、量に気をつけて摂りましょう。

● 体の中で作られるコレステロール

本来コレステロールは体に必要なもので、細胞膜を形成したり、ビタミンの代謝にも不可欠なものです。
やみくもに摂取を控えると、今度は肝臓でコレステロールを作ろうと、かえって値が大きくなることも。

● ご存じですか?「異所性(いしょせい)脂肪」

日本人は、飢餓で苦しんだ時代を生き抜くため体内エネルギーを節約できる「倹約遺伝子」を持つ人が多いと言われています。
飽食の現在は、気をつけなければすぐエネルギー過多で太る人が多いのです。
みなさんは、最近話題の「異所性(いしょせい)脂肪」をご存じですか?

内臓脂肪:主に腸間膜につく脂肪で、俗に「メタボ」と呼びます。
皮下脂肪:皮膚の下につく脂肪で、体の外からつまめます。
異所性脂肪:心臓や肝臓、筋肉などの間にたまる脂肪です。

「やせているのに血糖値や中性脂肪が高い」という人は、「異所性脂肪」がたまっている可能性があります。
この場合、たまった脂肪がその臓器の働きを悪化させる危険性が指摘されています。
「やせているから健康」と安心せず、健康診断を受け、日頃から自身の体をチェックしておくことが大切です。

● 積極的に食べたい野菜の、ここがポイント!

「体の中の日傘」?! 抗酸化の働きを持つ野菜

夏は紫外線を気にして日傘をさして外出する方も多いでしょう。
かぼちゃのベータカロチンや緑茶のカテキン、トマトのリコピンなど、夏の日差しの中で元気に育つ野菜の中には、自分の体を守る抗酸化物質・ポリフェノールが多く含まれています。
積極的にこれらの野菜を摂って、紫外線から体を守りましょう。

できれば3食! 色の濃い野菜を食べましょう

緑黄色野菜に含まれるポリフェノールは、意外に体内で保ちません。
1週間に3日食べるなどまとめて食べるより、1日3食、色の濃いトマトやブロッコリー、小松菜などの野菜を摂るのが理想です。

野菜ジュースは野菜の代わりになる?

忙しくてお昼はサンドイッチだけ、おにぎりだけという方は、ぜひ野菜ジュースを飲んでください。
果糖(果物に含まれる)が多く入ったものより、野菜100%のものを選んだ方が、食後の血糖値上昇が抑えられ、さらに良いです。

松岡さんのオススメはパプリカ!抗酸化作用があって、ビタミンCはピーマンの約3倍です。彩りもGOOD!

● 簡単野菜メニューのご紹介

野菜たっぷりスープ

材料

大根、玉ねぎ、ナス、キャベツ、パプリカ、かぼちゃなど好みの野菜、ベーコン、ホールトマト、水煮大豆

作り方

① 野菜類とベーコンを1cm角に切る。

② オリーブオイルですべての材料を炒める。

③ 塩、コショウ、コンソメで味をととのえ、ホールトマト、水、水煮大豆を加える。

④ 15〜20分煮る。

和風ピクルス

材料

きゅうり、セロリ、パプリカ、れんこん、ミョウガ、かぼちゃ
(ピクルス液)
酢...1/2カップ
だし汁...大さじ4
みりん...大さじ4
砂糖...50g
塩...小さじ1

作り方

① 野菜類は一口大に切り、熱湯でさっと湯通しして粗熱をとる。

② ピクルス液に野菜を漬けて、瓶に詰める。

③ 1時間ほど冷蔵庫に置く。


松岡さんが実践されているメニューです。参考にしてみてください。

いかがでしたか。第1話のように食べたものチェックも一度はやってみると視点が変わりそうですし、栄養バランスも、色で覚えれば応用しやすいですね。
1年を通じて体調を安定できるよう、少し意識してみませんか。

<お願い>

・コメントはわっかスタッフの確認後に公開されます。営業時間外は翌営業日の公開になります。ご了承ください。

・個人情報の書き込みはご遠慮ください。

・投稿いただける内容は、著作権・肖像権など第三者の権利を一切侵害していないものに限ります。

・投稿されている内容を具体的に参考にする場合は、ご自身の責任においてお願いいたします。

写真を追加する

投稿する

コンテンツへのコメント

  • 2020年4月 7日 11:10
  • すらみえ

ピクルスは好きで時々漬けます。カボチャもいいんですね。ぜひ次回に入れます。

  • 2020年3月 2日 20:42
  • DAISY

甘いものや脂っこい物を食べないのに悪玉コレステロール値が高い。肉類とか全く食べないのに何故?摂取を控えてるから肝臓でコレステロールを作ろうとしているのかな?野菜とお魚のタンパク質で貫こう。

  • 2020年2月16日 21:32
  • よしさん

野菜たっぷりスープ、参考になりました。ピーマンの3倍もVCがあるパプリカ材料に加えます。

  • 2020年2月13日 14:12
  • coron

異所性脂肪、初めて聴きました!
コレステロールを控え過ぎると、逆に肝臓でよけいにつくられるということも知りませんでした!
いい勉強になりました。

  • 2020年2月11日 19:33
  • クララ

野菜たっぷりスープ簡単そうだしぜひ作ってみます

  • 2020年2月11日 17:16
  • フラワータウンのママ

異所性脂肪知りませんでした!痩せてはいないのであまり関係ないようですが、もし、痩せても、値に異常があれば思い出すようにします!

  • 2020年2月10日 23:59
  • 腹ペコゆささ

脂質と野菜飲んで話は自分のことのようで、もっと早くに知っていれば…と後悔します。
でもこれから気をつけてさらに悪くならないように気をつけていきます。

POST ROOM投稿ルーム