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2019年11月25日

スマホと枝豆

じゅずつなぎコラム

愛知淑徳大学 教授 / 管理栄養士
東山幸恵

大手菓子メーカーのロングセラーであったチョコがけされたコーンフレークが、今年の初夏に製造中止になったことはご存知の方も多いと思います。調べてみると、どうやら「食べる時に手が汚れるから」というのが売上低迷の原因だそう。スマホやタブレットを触りながらおやつとして食べるには相性が悪い、今の時勢にそぐわない、というのが大きな理由だったようです。

私の大好物である枝豆。枝豆の季節には塩茹でにして週に6回は食べており、筋金入りのその偏愛ぶりは家族にも呆れられるほどです。
美味しい枝豆を食べるために、まずは豆選びから気合が入ります。できれば採れたてが望ましく、整然と形が揃っているものより、少しいびつななり方をしている豆の方が、そしてパンパンに実が入っているものより8割方の少し小さめの、そして濃い緑の枝豆が美味しい、というのが私の持論。枝豆の産地に住んでいることもあり、時には畑から直接枝ごと抜いてもらって買うこともあります。

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渾身の思いで入手した枝豆は、塩を加えたひたひたの湯できっかり5分茹で、ざっとザルに上げ、さらに塩を振ってホッホッとザルごと返して冷めるまで待つ。こうして程よく塩気を含んだ枝豆の美味しさといったら!
ボールに山とあった枝豆も次々と手が伸び、あっという間にさやだけが山積みになっている...というのがいつもの流れです。

この枝豆も、すこぶるスマホと相性が悪い。さやをつまんでは口に運ぶ、塩気のついた指でスマホを触ろうなどとは微塵も思いません。
かと言って、丁寧にさやから出された枝豆がお椀に山盛り、スプーンと一緒に出されたとしても、ちっとも食指は動かないと思うのです。さやをつまんで直接口に運び、チュッチュとさやの塩気も含みながら、時々は、指についた塩気もちょっと舐めたりしながらいただくのがよいのですから。
そもそもスマホと食事、というのは相性の悪いものだと思いますが、「指が美味しさを増幅する」料理はなおさらです。

そんな枝豆もいよいよ盛りが過ぎてきました。あら、お味が落ちたかな、という枝豆に当たった時は、潔く塩茹ででいただくのは諦め、たっぷりのごま油で刻んだにんにくをゆっくり炒めて、そこに茹でた枝豆をさやごと入れてさらに炒め、中華スープの素と塩胡椒で味付けします。さやごと口に含めばいまひとつの枝豆も復活の美味しさを楽しめます。
ごま油とにんにくで指がベタベタになるこの料理。この時の指とスマホとの相性は、いうまでもなく最悪です。しかし、秋のビールとの相性は最高なのです。

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ごま油の香りと、にんにく&胡椒のスパイシーさが味の落ちた枝豆を復活させてくれます。

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コンテンツへのコメント

  • 2019年11月26日 19:41
  • かやちゃん

「手で食べる」というのは、確かに美味しく感じます。しかも、指は10本もあり、とても食べやすいです。
お行儀を考えなくていいようなときには、「手で食べる」というのも、いいのではないでしょうか・・・
もちろん食べているときは、スマホはお休みです!

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