2020年11月02日
お財布事情と栄養
じゅずつなぎコラム
愛知淑徳大学 教授 / 管理栄養士
東山幸恵
私たちが栄養価を計算するときにバイブルとするのが、「日本食品標準成分表」。いわゆる食品成分表です。食品成分表にはエネルギー(カロリー)をはじめさまざまな栄養成分が、その食品100g当たりにどれくらい含まれているか表されており、つまり、「重さ当たりの栄養価」のデータベースというわけです。
一方で、普段の食事を決める要素として栄養と同じくらいに(むしろそちらの方が?)大事なのが、お財布事情。となると、重さ当たりの栄養価だけではなく、「100円当たりの栄養価」、という視点も大事になってきます。
いうまでもなく、食材の値段は浮動そのものですから、100円当たりの栄養価の公式なデータベースはありません。
しかし、おうちごはんの機会が増えているいま、敢えてこの課題を考えてみることにしました。
今回は、たんぱく質に着目。たんぱく質の多そうな食べ物、特に肉、卵、魚、大豆製品、乳製品をピックアップし、その値段(私の買い物経験値と、言うまでもなく生協のチラシ)を調査して、100円で摂れるたんぱく質の量を計算してみました。
その結果、100円当たりでもっともたんぱく質が摂れるであろう食材は、そう、卵。具体的な数字は割愛しますが1個20~30円という価格で摂れるたんぱく質は、たとえば鮭の30ℊ分(刺身2~3切れ)程度に相当します。なかなかのお値打ちぶりです。
鶏肉も優秀で、特にささみや胸肉はたんぱく質が豊富で価格も控えめです。穴場としては肝(レバー)や砂肝も注目食材です。
そのほか、納豆やきな粉もありますが、100円分のきな粉は相当な量。たくさん食べるのは難しく、少しずつ料理に使うのがコツでしょうか。
節約と健康を両立させた食事をするためには、「お値打ちで、なおかつ、とりたい栄養がぐっと詰まった食材」を選ぶこと。普段、何気なく食べている食材を数値化してみると見えてくるものがありそうです。
ただ、食事は美味しくて楽しいことが基本であることをお忘れなく。あくまでご参考までに。
学食でお世話になった『冷奴丼』を再現。
たしか200円くらいの学生お助けメニュー。
豆腐+温泉卵+天かすの丼につゆかポン酢をかけて。
これに豚汁でパーフェクト!
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コンテンツへのコメント
- 2020年11月 9日 19:22
- ?みーまま?
100円当たりのタンパク質量、私もよく考えていました。世の中で、これを話題にする人が少ないのは不思議だ、と思っていましたので、今回の話題はドンピシャ!でした。最近ではプロテインバーがよく頑張っていると思います。(100円ちょっとで15gのタンパク質が取れる商品があります)。今回の調査、ぜひ具体的な数字も知りたいです。冷奴丼は美味しそうで、すぐに真似したくなりました。自炊している娘にもぜひ知らせます!
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- 2020年11月 4日 12:39
- ゆめりん
100円あたりの栄養価。そんな捉え方を初めて聞きました。お豆腐や鶏肉は優秀ですね。安くておいしいから我が家ではどちらもよく使います。
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冷奴丼、簡単で美味しそうです。
たんぱく質も取れて、いいですね。