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2020年12月21日

勘違いで育つ

子育てコラム

いつの間にか兄が妹に卵ボウロをあげていました(苦笑)。

動物の動画をふと見入ってしまうことはありませんか?
「?」や「!」などの吹き出しやセリフが入ったりすると、まるで人間と同じ感情のやりとりをしているようで、かわいらしく、面白く・・・。ついつい見入ってしまい、思わず吹きだしてしまうこともあります。
しかし、本当に、彼ら(ワンちゃんやネコちゃんたち)は、人間が思っているように感じながら行動しているのでしょうか?・・・となると、ちょっと別次元のお話になるようで、動物にとって別の意味での顔の筋肉の動きが、人間にとって「笑っている」ように見えたり「切ない」ように見えたりし、ある意味、大いなる勘違いであるようです。

先日、霊長類の研究をされていた先生とおしゃべりをしていた時に、人間の子育ての中でも起こる「勘違い」が話題に上がりました。
生後ほどない赤ちゃんが、眠りながら口角を上げて笑っているような表情をすることがあります。「あ、笑った笑った!」ということで、記念の写真をパシャリ。そして、こちらも穏やかな声で話しかけて「ごきげんな」赤ちゃんとコミュニケーションが続く。とても素敵な時間です。
しかし、実際に赤ちゃんは嬉しい気持ちや楽しい気持ちで「笑って」いたのか、というと、実は別の話だそうです。
となると、ちょっとドライな感じがしますが、しかし、この「勘違い」が、子育ての中で生まれる大切な役割を果たすそうなのです。「笑った」と感じたからこそ、穏やかに話しかけ、顔をしかめたような様子を見て「どうしたの?」と問いかける。勘違いがあるからこそ、相手の気持ちを推測し、やり取りが生まれる。このプロセスが子育てには重要、ということなのです。

動物の子育てからハッとさせられることも。

食事場面にも時には「勘違い」のやり取りが生まれることがあります。例えば離乳食を始めたばかりのころ、スプーンであげてみたら舌をべえっと出され、まるで「いやだ!」と言われているように感じたことはありませんか?実は、これは哺乳のときの舌の動きの名残かもしれないのです。
赤ちゃんとしては「思わずやっていること」に対し、こちらとしては図らずも「どうしてかな?」と、相手のことを考えるきっかけになる。ちょっと大変なのですが、ある意味コミュニケーションが生まれるシーンでもあるわけです。

私ごとではありますが、我が家の子どもたちは、今年高校を卒業し、独立した生活を始めました。生まれてから今まで、食を通して数え切れない思い出(良いものも苦いものも笑えるものも)が積み重なったように思います。
食は親子のつながりを作る絶好の機会。このコラムを通してそんな食べることの大切さをみなさんと考えていけたら、と思います。

娘が中学生の時に作った、クリスマスケーキ。
どこから食べたら良いのか迷いました。

東山幸恵(ひがしやまゆきえ)

愛知淑徳大学教授 管理栄養士
二人の子どもたちは大学生となり、お弁当作りがひと段落。
慌ただしい子育て時代が落ち着いたいま、自分自身の健康管理が目下の課題。

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