2020年08月31日
飲むけど飲まない晩酌
じゅずつなぎコラム

愛知淑徳大学 教授 / 管理栄養士
東山幸恵
昨年6月に「ゲコノミスト」という下戸(お酒を飲めない人)が集まるグループが作られ注目を集めているそうです。このことを私が知ったのは、今年のお正月のこと。「下戸に新風」との新聞記事で特集されたのを読んだのがきっかけでした。
体質的に飲めない、あるいは飲めるけど飲まない、など、お酒と距離を置く人の事情はさまざまですが、「フレンチレストランでワインリストを手渡されるたび、肩身の狭い思いをしてきた」という「ゲコノミスト」の主宰者のお話のとおり、飲めることを前提とした社会に新風を、というのがこの会の趣旨だそうです。
さて私は、というと、そこそこ飲んで楽しむタイプ。ただ、決して強くはなく、飲めば顔が赤くなり、熱くなり、ある程度進むと睡魔と戦い続けるという体質です。
家で餃子を作ればビールが欲しくなり、焼き立て熱々の餃子と冷えたビールに至高の幸せを感じるのですが、その後、ふわっと眠くなってしまう。えいやっとそのまま寝てしまうのも手なのですが、目の前にある食器も片づけたい、ちょっとした仕事もしたい。ああ、眠くならず、ビールの美味しさだけを楽しめたなら・・・と心は千々に乱れるのです。
さらに外食では、また違う悩みに遭遇します。美味しい料理には、ぜひとも美味しいお酒が欲しいところですが、料理も中盤となると、「そこそこ」タイプの私はお酒にMyストップがかかります。とはいえ、その後の食事だって合う飲物が欲しいところ。ところが食事に合うノンアルコールの飲み物に出会えるのは稀であり、たいていはウーロン茶や甘めのドリンクの選択肢から、やむなく「お水」を選ぶこともしばしばで、アルコール以外のニーズは少数派かも・・・と半ばあきらめの気持ちでした。

しかし、くだんの新聞記事を読んでから、世の中のノンアルコール事情を改めて眺めてみると、思った以上にその市場が広いことを知りました。ハーブやスパイスを使った「モクテル(ノンアルコールのカクテル)」などさまざまな種類があることも、遅ればせながらの発見でした。料理との相性を配慮したノンアルコールを提供できるお店も増えているとか。ノンアルコールも市民権得たり!と、以降、堂々とアルコールもノンアルコールも楽しむ道をまい進しています。
いずれにせよ、自分の体質や体調に合わせた食の選択肢が増えることは嬉しいこと。
しばらくは家でのお楽しみになりますが、眠くならないノンアル晩酌のお供のレパートリーを増やすのが、目下の目標です。

冷蔵庫にあった作り置き、トマトとモロヘイヤのサラダ、ジャガイモの煮物などで、ノンアル晩酌。
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私は呑めるので週に2、3回晩酌をします。でもパートナーは全くのゲコです。でも同じ物を食べてくれます。