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2022年03月21日

美味しいエキス料理

じゅずつなぎコラム

愛知淑徳大学 教授 / 管理栄養士
東山幸恵

その昔、こんな授業がありました。
先生が水がいっぱいに入った大きな水槽を持ってきて、「ここに魚は住めるでしょうか?」みんなの答えはもちろん「はい、住めます」。先生は、その水槽の中に葉っぱを1枚入れました。「さてこの水槽に魚は住めるでしょうか?」答えはもちろん「はい、住めます」。続けて先生はその水槽に牛乳をスプーンに一杯入れました。「さてここに魚は住めるでしょうか?」少し子どもたちの答えが揺らぎます。さらに先生はそこにサラダ油を大さじ一杯入れました・・・。
この授業はご想像の通り環境に関する授業。比喩的なものであったと思いますが、今も料理のあと鍋を洗う時に思い出されます。

食べきれなかった調味料を、少しでもシンクに流すのは、環境の面だけでなく美味しさの面でもチクっと心が痛みます。なぜなら、いろんな材料のエキスが集結した、抜群に美味しいものなのですから。
この美味しいエキスを無駄にしないために、どんなことができるでしょう?
まず一つ目は、使う調味料の量を必要最小限にすること。特に煮込み料理は煮詰まることを考えて最初は薄味から始めていけば最後まで煮詰められます。そしてもう一つは鍋やフライパンに残った調味料を、何かの料理に活かすこと、でしょうか。

先日、新鮮な鯛のアラが手に入り、大根と一緒に炊きました。酒、みりん、しょうゆ、そして生姜を加えてコトコトと煮込み、味がしっかり染みた鯛のアラ。一晩たつとその煮汁は抜群に美味しい煮こごりに変身しました。
さて・・・この煮汁を捨てるのはいかにも惜しい。そこで、ウロコと骨をきれいにこした煮汁で、人参、油揚げ、ねぎなど冷蔵庫にあった材料を刻んでぽいぽいと鍋に入れ、おからを炊きました。旨味たっぷりの煮汁で炊いたおからはいつに増して美味しく、鍋に残った煮汁もきれいになくなりました。そういえば、祖母はいつもすき焼きの後に、おからを炊いていましたっけ。

鯛の煮汁で炊いたおから。調味料は煮汁のみ。

フライパンで豚肉を焼いた後の油でご飯を炒めたガーリックライス。ハンバーグを焼いた油に、ワインとトマト缶、ケチャップを入れて作るハンバーグソース。
みなさんの「美味しいエキス料理」は何でしょう?

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コンテンツへのコメント

  • 2022年3月21日 19:53
  • にゃんこ

私は、おでんの後は、いつもおからを買ってきて人参、ちくわを入れたりして炊いてます

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