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2021年10月11日

気になる健康づくり〈前編〉〜糖尿病って何がこわいの?〜

気になる健康づくり

7月に発行したいずみ市民生協の広報誌「おいしいくらしNO.34」では、健康づくりにかかわるお声・ご質問を募集しました。「人間ドックの健診結果の見方が知りたいです」、「血糖値や中性脂肪などに良いこと、良い食事を知りたい」、「血糖値の下げ方。貧血予防の方法が知りたい」などなど、たくさんお声をいただきありがとうございます。
そこで、社会医療法人同仁会 耳原鳳クリニック 健康サポートセンター等(糖尿病専門医・管理栄養士・健康運動指導士)の方々にお話をうかがうことにしました。

● 健康診断結果を見るポイント

健康診断の結果をもらって、それぞれ数値や評価が載っているのですが、検査結果を見るポイントはどういうところなのでしょうか?

健康診断は基本的に年に1回は受けるものですが、コロナ禍の中、感染が不安という理由で健診受診率が低下しています。その結果、早期発見や治療開始の遅れが問題になっています。そして、自粛生活が長くなり、活動量が減って体重が増えたという報告を聞きます。
健診結果を見るポイントは、前回の結果を比較してどの検査項目がどう変化したかを見ることです。変わりないのか、改善したのか悪化したのかを知り、その原因を探っていく事が生活習慣の改善につながります。

定期的な健診をすることと、前回との比較をしてみることが大切なんですね。
お声の中には具体的に"血糖値を下げたい"のような意見も多いのですが、一般的に気にされている方が多いのでしょうか?

はい。気にされる方は多いです。
それでは、40歳以上の4人に1人と急増していて、国民病とも言われ、肥満との関係の深い"糖尿病"にスポットを当てて説明してみたいと思います。

まず「糖尿病とは?」ということで、国立国際医療研究センター 糖尿病情報センターのホームページにわかりやすく案内がありますので、紹介させていただきます。

● 糖尿病とは? ―インスリンとブドウ糖―

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。
血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります(糖尿病の急性合併症)。
私たちが食事をすると、炭水化物は分解され糖となって腸から吸収されます。寝ている間など、食事をしない時間が続くときには、主に肝臓により糖が作られています。糖はからだにとって大切であり、食事をしたときも、食べていないときも、常に血液中を流れています。糖は血液の流れに乗って、からだのあらゆる臓器や組織へめぐります。
血液中をただよい、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中に流れてきたインスリンとの共同作業で細胞に取り込まれます。取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギー源となります。
インスリンは細胞のドアを開ける鍵のような役割を果たしています(図1:糖とインスリンの働き)。インスリンの働きによって、細胞の前まで到着した糖はすみやかに細胞の中に入り、糖は血液中にあふれることなく、血液中の糖の濃度は一定の範囲におさまっています。

図1:糖とインスリンの働き

・糖はからだのエネルギー源です
・糖をエネルギーとして使うにはインスリン(鍵)が必要となります

糖尿病とはインスリンが十分に働かず、血糖をうまく細胞に取り込めなくなるため、血液中に糖があふれている状態をさします。これには、2つの原因があります。

1.インスリン分泌低下:膵臓の機能の低下により、十分なインスリンを作れなくなってしまう状態。細胞のドアを開けるための鍵が不足しているので、糖が中に入れず、血液中にあふれてしまいます。もともと日本人は欧米人にくらべ半分位しかインスリンが作れない体質ですが、一層作る量が減ることが少なくないのです。

2.インスリン抵抗性:インスリンは十分な量が作られているけれども、効果を発揮できない状態。運動不足や食べ過ぎが原因で脂肪肝や太り過ぎになると、インスリンが働きにくくなります。鍵であるインスリンがたくさんあっても、細胞のドアのたてつけが悪く、開けることができません。この場合も、血液中に糖があふれてしまいます。

3.糖尿病ではこの2つが影響して、血糖値が高くなってしまいます。

● インスリンが十分に働かない、とは??

1.インスリン分泌低下

インスリン(鍵)が不足していて、糖が細胞の中に入れない。糖の取込みがうまくいかない。

2.インスリン抵抗性

インスリン(鍵)があっても、細胞のドアのたてつけが悪いため、開きにくい。効率よく糖を取り込めない。

● 糖尿病の分類

1型糖尿病

数ヶ月〜数年で膵臓からインスリンがほぼ出なくなることにより血糖値が下げられなくなる状態です。生きていくために、注射でインスリンを補う治療が必須となります。(インスリン依存状態)

2型糖尿病

インスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することによって血糖値が高くなります。遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があるといわれています。すべての2型糖尿病患者の方に生活習慣の問題があるわけではありませんが、血糖値をコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しが大事です。飲み薬や注射なども必要に応じて利用します。
<*国立研究開発法人 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター より引用>

※今回は主に2型糖尿病の紹介になります。

なるほど。
糖尿病かどうか気になる場合は、まず血糖値を見ることになるんですね。

● 糖尿病の診断基準って?

健康診断では、空腹時血糖値のみにより診断することが多いです。正確には10時間以上、食事を摂らない血糖値が最も低くなっている状態で測定しますが、朝食を食べず採血したものを空腹時血糖値と呼んだりすることもあります。血糖は食後1時間まで上昇しますが、血糖を下げる力が不十分になると食後2時間くらいまで上がってしまいます。食前血糖はすぐには上がらず食後血糖から上がることが多いため空腹時血糖のみでは判断しにくいのです。長い目でみた血糖の変動の目安=HbA1cが重要です。

<糖尿病の最新の基準値>

空腹時血糖値 単位(mg/dl)
正常値 70〜100
糖尿病予備軍 100〜125
糖尿病の可能性が高い 126〜
HbA1c(NGSP値) 単位(%)
正常値 5.9以下
糖尿病予備軍 6.0~6.4
糖尿病の可能性が高い 6.5~
きちんと調べるためには、健診結果での血糖値だけではなく、一定期間の変動も診てもらうことになるんですね。
では、糖尿病を防ぐためにはどうすればいいんでしょう。

後編につづく
気になる健康づくり〈後編〉 〜 STOP!糖尿病 〜

今回の記事は、社会医療法人同仁会 耳原鳳クリニック
健康サポートセンター等(糖尿病専門医・管理栄養士・健康運動指導士)の方々にお話をうかがい、ご協力いただきました。

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コンテンツへのコメント

  • 2021年10月14日 23:36
  • アラカンすぎ

インスリンと細胞の関係良く分かりました。ドアの鍵に例えて説明していただき、目からうろこです。

  • 2021年10月11日 18:24
  • かのこ

私も ここ数年 健康診断で 糖尿病予備軍 時には糖尿病といわれています 食事に気を付けて 生活していますが 野菜を多く ご飯は玄米を混ぜて 甘いものは極力控えています。でも ストレスがたまることがありますね でも 足の切断なんて 怖いから 食事の節制頑張ろう!

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